トリプルアクセルだけではない、紀平梨花の強さの秘密。注目すべきは驚異の“出来栄え点”

テレ朝POST によると。

今日11月23日(金)から始まるフィギュアスケートの『グランプリシリーズ・フランス大会』。

シリーズ最終戦となる今大会、デビューイヤーで初の「グランプリファイナル」進出が期待されるのが紀平梨花(16歳)だ。

紀平は、先日の『グランプリシリーズ・NHK杯』で、ジャンプの失敗などが響き、ショートでは5位に終わった。

厳しいデビュー戦になるかと思われたが、翌日のフリーでは、演技冒頭から世界で彼女しか跳ぶことのできないトリプルアクセル+トリプルトウループの連続ジャンプを成功。

直後にも、2本目となるトリプルアクセルを成功させ、大逆転で優勝を飾った。

シリーズデビュー戦での優勝は、日本人初の快挙。“ニューヒロイン”誕生に世界が湧いた。
トリプルアクセル挑戦当初から感じていた“手応え”
劇的な優勝の原動力となったトリプルアクセルを練習し始めたのは、紀平が小学校6年生の時。

驚くべきことに、中学生になる頃にはもうトリプルアクセルに手応えを感じていたという。

「(最初は)無理と思っていたのですが、いざ練習してみると、なんだか少しわかった気がするというか。感覚がつかめた気がしました」(紀平)

実は彼女、幼稚園児にして跳び箱8段を跳び、片手で側転までできるほどの運動神経の持ち主。その持ち前の身体能力で、中学生にしてトリプルアクセルに挑戦し、徐々に感覚をつかんでいった。

そして2016年、14歳で出場したジュニアのグランプリシリーズで、公式戦で初となるトリプルアクセルを成功。当時の世界最年少記録を更新した。

しかし、紀平の進化はこれだけにとどまらず、昨年2017年の「ジュニアグランプリファイナル」ではトリプルアクセル+トリプルトウループを跳び、女子初の連続ジャンプを決めてみせた。

「たくさん跳んで怪我しそうになったりしたのですが、そこで諦めないでやってきたのがひとつ大きいと思います」(紀平)

「一度挑戦したら、決して諦めない」―トリプルアクセルはそんな強い思いで手に入れた大きな武器だった。

彼女にしかできない“助走”
そんな彼女のトリプルアクセルについて、テレビ朝日解説の織田信成氏はこう語っている。

「紀平選手のトリプルアクセルの跳び方は、“男子に近いスピード”を出してきて早いタイミングで跳んでいるのです」(織田氏)

一般的に、トリプルアクセルを跳ぶ女子選手は、助走が長くなることが多い。

例えば、同じくトリプルアクセルを跳ぶことができるロシアのトゥクタミシェワと比べてみると、紀平が踏み切りの体勢に入ってから、2秒後にジャンプしているのに対し、トゥクタミシェワが跳びあがるのは2.5秒後。

つまり、紀平の方が、助走が短いということになる。しかし、紀平は他の選手に比べて“スピード”が出ているので、より短い助走でジャンプをすることができるというのだ。

「脚力やタイミングをとらえるセンスが非常に素晴らしいので、スピードを出して待たずに跳べるのではないかと思います」(織田氏)

紀平はファイナル進出をかけてGP最終戦に挑む
トリプルアクセルだけではない強さの秘密
しかし、彼女の強さはトリプルアクセルだけにとどまらないと、織田氏は指摘する。

「減点する要素が演技の中でほとんど無いので、そういう意味でも、すごくクオリティーの高い演技ができる選手だと思います」(織田氏)

紀平のNHK杯フリーの得点表で、注目すべきは“GOE”(出来栄え点)だ。

冒頭、2つのトリプルアクセルには、2点台後半から3点台と非常に大きな加点が与えられているが、実はその後の演技にも、すべての要素に対して加点が与えられている。

GOEの総得点は、全選手中でトップの18.42点。2位のトゥクタミシェワに6点以上の差をつけ、結果、技術点は今シーズンの女子最高となる87.17点を叩き出した。

実はこの数字、NHK杯の男子で比べてみても、宇野昌磨に続く2番目の高得点なのだ。

「素晴らしいスピンを回っていると思いますし、ステップも一つ一つのレベルをとるためのターンとか、きっちり正確に抑えているので、世界チャンピオンへの道はそんなに遠くないのではないかなと思います」(織田氏)

高い身体能力を生かしたトリプルアクセルと、抜群の安定感。これが世界に衝撃を与えた理由だった。

紀平はデビューイヤーでのファイナル進出をかけて、今日11月23日(金)から始まる「フランス大会」に挑む。

「(ファイナル進出へ)チャンスができたという風に思ったので、狙っていけるようにしたいと思っています。どの相手が来ても自分の完ぺきな演技がしたい」(紀平)

“ニューヒロイン”が再び世界を驚かすのか、ファイナル進出の切符は誰の手に渡るのか――勝負の行方を占うグランプリシリーズ最終戦から目が離せない。

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