文春オンライン によると。
日本女子フィギュアスケートに“新星”が誕生した。11月9日から行われたNHK杯で優勝した紀平梨花(16)だ
会場で取材した一般紙運動部記者が、興奮を隠せないように偉業を解説する。
「紀平は今季からシニアに転向した高校1年生です。グランプリシリーズデビュー戦での優勝は日本初の快挙で、総合得点は平昌五輪金メダルのザギトワに次ぐ今季世界2位。それだけでも凄いのですが、フリーの技術点ではザギトワを上回り、今季世界最高を叩き出した。原動力はフリーで2本成功させたトリプルアクセル。浅田真央に憧れて習得した大技は、高さも距離もありながらフワッとした軽やかさもある。加えて大人っぽい演技ができるのも魅力です」
スポーツ紙フィギュア担当記者も紀平の長所をこう語る。
「手足もすらっとしていて見栄えがよく、表現面でも優れています。今後、強豪のロシア勢と世界のトップを争う存在になるのは間違いない。2022年の北京五輪では金メダルも十分期待できます」
国内外を驚愕させた逸材は、いかに頭角を現したのか。
短距離走は男子より速い
「目に付くのは身体能力の高さ。幼少時から運動神経が抜群で、両親は体操やバレエ、ピアノなど様々な習い事をさせました。中学生の時には短距離走で全国の男子平均より速い記録をマークしたとか。高難度のジャンプを身につけられた所以でしょう」(同前)
快挙を成し遂げた紀平だが、
「『こんなに高い点数が出るなんて!』と無邪気に驚いていました。演技は迫力がありますが、本人はおっとりしていて、取材でもふんわりした関西弁を喋る普通の女の子。カメラマンが向けるレンズに『シャッター音が気になってしまうんです』と言ったことがあるほど繊細な一面もあります」(前出・運動部記者)
紀平の今後の可能性について、フィギュアスケートライターはこう分析する。
「ここ数年の日本は人気、成績の両面で男子がリードし、女子には注目が集まらない傾向があった。しかし紀平が出てきたことで、女子人気復活の気運も高まってきました。変な癖のない、素直で素朴な性格はメディアやファンからの受けもいい。みんなに愛される“第二の浅田真央”のような存在になれるのでは」
舞い降りたニューヒロインの今後が楽しみである。