フィギュアでルール改正…羽生・宇野には得?損? 鈴木明子が懸念する『あのジャンプ』のリスク

CBCテレビ によると。

 いよいよフィギュアスケートも今シーズンが開幕!羽生結弦選手はオータムクラシック、宇野昌磨選手はロンバルディア杯と、それぞれ今季初戦で優勝し、見事なスタートを切りました。

 実は今シーズン、大きな“ルール改正”があったフィギュア。その改正のポイントや日本人選手に与える影響などについて、2012年の世界選手権で銅メダル、バンクーバー・ソチ五輪で2大会連続入賞の鈴木明子さんに伺います。

Q.まず、羽生選手、宇野選手の初戦の演技はどうご覧になりましたか?

鈴木明子さん
「ショート、フリーと新たなプログラムのお披露目となりました。羽生選手は、課題はもちろんありますけど、非常にシーズン後半に期待の持てるプログラムになりましたね。平昌五輪の時に心配された足首は、もう問題ないんじゃないかという風に見えます。宇野選手も初戦にしてかなり手ごたえがあったのではと思います。ルール改正もありますけど、そこに対応して練習してきたなってところが見られました」

Q.そのルール改正ですが、フィギュアは今年どうなっていくのでしょう?

鈴木明子さん:
「ざっくり言うと、“より完成度の高いスケート”を求められるということです」

スポーツLIVE High FIVE!!スタジオ収録風景
Q.1つ目の大きな改正としては、昨シーズン、演技後半の全てのジャンプで得点が1.1倍になっていたのが、今シーズンはその対象となるジャンプの数を制限。

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ショートプログラムですと最後の1本のみ、フリーでは最後の3本のみが1.1倍になるということになりました。この改正で日本人選手は得をするんでしょうか?それとも損を?

鈴木明子さん:
「完璧なジャンプをすれば、得になります。ただしミスをすれば、影響が大きくなってしまうので…。見ている側はバランスのとれたプログラムを楽しめると思います。また、1.1倍の対象となるジャンプの数が限られているので、そこで何を跳ぶかというのが戦略的に難しくなります」

羽生選手、宇野選手の今後は・・・?
Q.2つ目として、4回転ジャンプの基礎点が減少しました。4回転トウループだと昨シーズン10.3だったのが、今シーズンは9.5に。同アクセルでは15.0から12.5と大きく減っていますね。

鈴木明子さん:
「ジャンプが難しくなればなるほど、基礎点の減り方が大きくなっています。そこで“出来栄え”が重要になります」

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Q.出来栄え点=GOEでの改正点を見ると、昨シーズンがプラス3からマイナス3まで0を含めた7段階評価だったのに対して、今シーズンはプラス5からマイナス5の11段階評価になりました。会社員の給与に例えますと、いわば基礎点が“基本給”で、GOEが“ボーナス”。基本給が減ったけどボーナス分が増えたということで、より“成果主義”のような形になったということですね?

鈴木明子さん:
「そうですね。もともとフィギュアスケートでは、ジャンプには基礎点と出来栄え点があって、そのうち出来栄え点は試合のジャッジが良かったのか悪かったのかで判断します。その評価の段階が増えたので、いいジャンプに対しては得点をつける、悪いものに関してはガッツリ得点を引いちゃうよ、というやり方になります」

Q.実は、宇野昌磨選手の初戦でこのルール改正が追い風になっていました。4回転フリップで基礎点11.0点、GOE3.74点、合計で14.74点をとっていましたが、これが旧ルールの平昌五輪の時は基礎点12.3、GOE1.43、合計で13.73点でしたので、約1点伸びています。

鈴木明子さん:
「やはり、ルールが改正されるということで、選手たちもみんな意識してシーズンオフに練習しますよね。ルールが変わるから、ただ跳ぶだけでなく“質”を高くしよう、と。その結果が表れたのかなと思います」

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Q.このジャンプのルール改正で気になるのが、今年8月に羽生選手が話していた「4回転アクセルが一番の目標。今季中にやっておきたい」という言葉です。今シーズンは、難しいジャンプで以前よりも基礎点が大きく下がり、さらに失敗した場合に減点も大きくなってしまいました。

鈴木明子さん:
「難しいんですよ…。実戦で投入するのって物凄くリスクが高いと思うんです。ただ、羽生選手はオリンピックで2回金メダルをとりました。目指していくものとしては、誰もやったことのないもの。まだ誰も跳んだことのないジャンプを自分が一番最初に跳んでみたい、というのがアスリートのモチベーションだと思うんですね」

Q.ひょっとして、羽生選手の中である“美しさ”というのは、点を稼いでポイントを高くして金メダルをとる美しさではなくて、アスリートとして難しいことにチャレンジしていくということだと?

鈴木明子さん:
「点を取るところを超えたな…という感じはします。五輪を終えて新たなシーズンに入り、自分のスケートをしたいというか、自分のやりたいようにやっていくという方向性が今見えているなと。ただ、羽生選手は負けず嫌いです。だから勝ちにもこだわり、でもやりたいことである4回転アクセルにも挑戦していくんじゃないかと思います」

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